政府は2023年3月7日に「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案」(以下、「改正法案」という)を閣議決定し、第211通常国会に提出されました。その後2023年6月9日に出入国管理及び難民認定法の改正法案が、参議院で可決され、改正法が成立しました。

この改正法は、難民認定申請者等の滞日外国人(非正規滞在者を含む)の人権擁護、保健・医療・福祉および生活保障の視点からみれば、不十分かつ憂慮すべき内容となっていることから、日本ソーシャルワーカー連盟はここに意見を表明します。

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出入国管理及び難民認定法の改正に対する声明

2023年6月9日、出入国管理及び難民認定法の改正法案が、参議院で可決され、改正法が成立しました。
この改正により、母国で迫害の恐れがあり「母国に帰れない事情」を抱えた難民認定申請者等を強制送還することが可能となりました。

これは、日本が締結した難民条約が保障する「難民の権利」を不当に侵害することに繋がり、「生命または自由が脅威にさらされるおそれのある領域の国境へ追放しまたは送還してはならない」という「ノン・ルフールマンの原則」(追放及び送還の禁止)に反する内容です。

私たち日本ソーシャルワーカー連盟は生命や身体が危険にさらされている難民認定申請者等の自由や権利を守ると共に、適切な保健・医療・福祉及び生活保障等の体制整備などの人道的な支援を行うことを要望します。

2023年8月7日

日本ソーシャルワーカー連盟(JFSW)

公益社団法人日本社会福祉士会 会長 西島 善久
公益社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 田村 綾子
公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会 会長 野口 百香
特定非営利活動法人日本ソーシャルワーカー協会 会長 保良 昌徳