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2018年度

第5回「市町村・都道府県における子ども家庭相談支援体制の強化等
に向けたワーキンググループ」における藤林委員提出資料に対する意見

2018年12月18日

社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会
市町村・都道府県における子ども家庭相談支援体制の強化等に向けたワーキンググループ
座長 山縣文治 様

公益社団法人日本社会福祉士会 会長 西島善久
公益社団法人日本医療社会福祉協会 会長 早坂由美子
公益社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 柏木一惠
特定非営利活動法人日本ソーシャルワーカー協会 会長 岡本民夫
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟 会長 白澤政和

貴職におかれましては、子ども家庭支援施策の推進に日々ご尽力されていることに敬意を表します。
私たちは、社会福祉士、精神保健福祉士などのソーシャルワーク専門職で組織された団体、及び全国のソーシャルワーク教育学校で組織された団体です。

12月10日に、社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会 第5回「市町村・都道府県における子ども家庭相談支援体制の強化等に向けたワーキンググループ」(以下、「WG」という)が開催されました。このWGで配布された「構成員提出資料」中の藤林委員による「『12月7日素案』に対する意見」において、私たちが本年7月5日に発表した、「児童福祉に関する国家資格を創設するという報道についての声明」の一部が引用されています。

この引用は、長期的スパンでの新たな国家資格化の創設には反対していない、と私たちが主張しているかのように示されており、口頭でも藤林委員はそのように説明をされました。さらに、児童領域にも精神保健福祉士のようなプロフェッショナルな資格が必要だとも発言されています。

私たちが7月5日に発表した上記声明の趣旨は、長期的にでも新たな国家資格の創設には反対するものであることを、ここで改めて明確にいたします。また、精神保健福祉士の創設は、社会福祉士が精神障害や精神科医療機関を対象に含まない資格として誕生したことによるものであり、現在のように児童に対するソーシャルワークを担う専門資格が既に存在する現状とは背景が異なります。

現在課題となっている児童福祉司の専門性を向上させ、適切に機能させるためには、児童福祉司等に関する個別の専門資格を創設することではなく、ソーシャルワーク専門職である社会福祉士や精神保健福祉士の国家資格を積極的に活用し、これらの国家資格の所持を児童福祉司の任用要件とし、児童を取巻く多様な課題(例えば貧困、メンタルヘルス不調、障害、家庭内暴力や差別など児童分野のみの問題ではない事象)に包括的に対応することのできる教育カリキュラムを受けた者を配置すべきです。可及的速やかに養成カリキュラムや研修の充実による社会福祉士及び精神保健福祉士の実践能力の向上を図ることが必要であると考えます。

※記
藤林委員提出資料(部分)
(3)専門職化に向かうプロセスにおいて国家資格化は有用な選択肢であることを明記。当面のスーパーバイザー認定要件や研修要件の強化を行いつつも、長期的スパンで新たな国家資格化の創設を目指す。
(参考)公益社団法人日本社会福祉士会等「児童福祉に関する国家資格を創設するという報道への見解」
「(略)子どもが虐待により死に至るといった事件を無くすためには時間的な猶予はありません。これから新しい国家資格を創設しその養成等に取り組むよりも、可及的速やかに養成カリキュラムや研修の充実による社会福祉士及び精神保健福祉士の実践能力の向上と活用の促進(略)」

児童福祉司に関する国家資格等の専門資格創設に反対する意見

2018年12月5日

社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会
市町村・都道府県における子ども家庭相談支援体制の強化等に向けたワーキンググループ
座長 山縣文治 様

公益社団法人日本社会福祉士会 会長 西島善久
公益社団法人日本医療社会福祉協会 会長 早坂由美子
公益社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 柏木一惠
特定非営利活動法人日本ソーシャルワーカー協会 会長 岡本民夫
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟 会長 白澤政和

貴職におかれましては、子ども家庭支援施策の推進に日々ご尽力されていることに敬意を表します。
私たちは、社会福祉士、精神保健福祉士などのソーシャルワーク専門職で組織された団体、及び全国のソーシャルワーク教育学校で組織された団体です。

さて、社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会の下に、「市町村・都道府県における子ども家庭相談支援体制の強化等に向けたワーキンググループ」(以下、「WG」という。)が設置され、「児童及び妊産婦の福祉に関する業務に従事する者の資質の向上を図るための方策」についても検討されています。4回に亘って開催されたWGでは、児童相談所におけるスーパーバイザー及び児童福祉司に関する専門資格創設について、賛否両論の意見が述べられています。

私たちは、これまで2015年9月、同年11月に2回、2018年7月、と4回に亘って児童福祉司等の国家資格化について見解を発表しているところですが、改めて児童福祉司の専門資格創設には反対であることを強く表明します。

児童福祉司及びスーパーバイザーの専門性の向上は当然必要ですが、そのための方法として、ソーシャルワーク専門職である社会福祉士や精神保健福祉士の国家資格を積極的に活用し、これらの国家資格の所持を児童福祉司の任用要件とすべきです。

子ども家庭福祉を担う専門職には、子どもや家庭を取り巻く広範囲な課題を分析し、積極的に介入していくことができる専門的な力量が必要です。社会福祉士や精神保健福祉士は、このような幅広い問題に対応する知識、技術を持ち、問題解決に向けて介入する専門職です。そして、児童福祉司の任用区分の一つである社会福祉士の比率は23%(2012年)から41%(2018年)、精神保健福祉士の比率は11%(2018年)と、自治体での採用・活用は着実に進展してきています。

今求められているのは、新たに専門資格を創設することではなく、社会福祉士や精神保健福祉士の効果的・効率的な活用を促進し、専門的知識や技術の向上に必要な研修を充実することです。また、2017年度から「児童福祉司」及び「児童福祉司スーパーバイザー」への研修が義務化されており、まずは、その効果を測定し、評価することが必要です。

2018年3月に社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会で取りまとめられた「ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められている役割等について」では、社会福祉士が担う今後の主な役割として、「『地域共生社会』の実現に向けて、1)複合化・複雑化した課題を受け止める多機関の協働による包括的な相談支援体制や2)地域住民等が主体的に地域課題を把握して解決を試みる体制の構築」を挙げており、そのために現在、養成カリキュラム等の見直しが行われています。

以上のことから、児童福祉司等に関する個別の専門資格を創設することよりも、可及的速やかに養成カリキュラムや研修の充実による社会福祉士及び精神保健福祉士の実践能力の向上と、更なる活用の促進を図り、さらには、これらの社会福祉士及び精神保健福祉士が、その専門性を活かしながら積極的に介入することができる環境を整備し、子どもたちが子どもらしく生活する権利を守っていくことが必要であると考えます。

児童福祉に関する国家資格を創設するという報道についての声明

2018年7月5日
公益社団法人日本社会福祉士会 会長 西島善久
公益社団法人日本医療社会福祉協会 会長 早坂由美子
公益社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 柏木一惠
特定非営利活動法人日本ソーシャルワーカー協会 会長 岡本民夫
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟 会長 白澤政和

私たちは、社会福祉士、精神保健福祉士などのソーシャルワーク専門職で組織された団体、及び全国のソーシャルワーク教育学校で組織された団体です。

6月18日の福祉新聞の記事によると、6月13日に開かれた「児童の養護と未来を考える議員連盟」(塩崎恭久会長)の緊急会合において、塩崎会長は「今は、児童の専門でなくても、社会福祉士なら(児童福祉司に)なることができる。児童の問題について専門性のある国家資格をつくった方がいいのではないか」と発言されたとのことです。

この新たな国家資格の創設について、あらためて私たちの見解を以下に述べます。

私たちソーシャルワーク専門職団体及びソーシャルワーク教育関係団体は、2015年9月17日に「『児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会報告書』に関する提案及び依頼」を、2015年11月25日に「『新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会報告 骨子案』についての要望」を連名で提出しています。

この文書のとおり、私たちとしても児童福祉司の専門性の向上が必要であることは認識しています。そのための方法として、ソーシャルワーク専門職である社会福祉士や精神保健福祉士の国家資格を積極的に活用し、これらのソーシャルワーカー資格の所持を児童福祉司の任用要件とすべきであると考えております。

 「子ども虐待対応の手引き」(平成25年8月23日雇児総発0823第1号厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課長通知にて改正)において、児童虐待の要因には、1)保護者側のリスク要因、2)子ども側のリスク要因、3)養育環境のリスク要因、4)その他の要因があると分類しています。複雑で不安定な家庭環境や家族関係、夫婦関係、社会的孤立や経済的な不安、母子の健康保持・増進に努めないことなど家庭における貧困や社会関係の困難や地域生活課題があり、子ども家庭福祉を担う専門職には、これらのリスクの分析をはじめ、子どもや家庭を取り巻く広範囲な課題を分析し、積極的に介入していくことができる専門的な力量が必要です。

社会福祉士や精神保健福祉士は、このような幅広い問題に対応する知識、技術を持ち、問題解決に向けて介入する専門職です。今求められることは、新たに国家資格を創設することではなく、社会福祉士や精神保健福祉士の効果的・効率的な活用を促進し、専門的知識や技術の向上に必要な研修を充実することであると言えます。

また、2017年度から「児童福祉司」及び「児童福祉司スーパーバイザー」への研修が義務化されており、まずは、その効果を測定し、評価することが求められます。

2018年3月に取りまとめられた「ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められている役割等について」(社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会)では、社会福祉士が担う今後の主な役割として、「『地域共生社会』の実現に向けて、1)複合化・複雑化した課題を受け止める多機関の協働による包括的な相談支援体制や2)地域住民等が主体的に地域課題を把握して解決を試みる体制の構築」を挙げており、そのために今後、養成カリキュラム等の見直しを検討すべき、としています。

今年3月に目黒区で起きた児童虐待のような、痛ましい事件は後を絶ちません。子どもが虐待により死に至るといった事件を無くすためには時間的な猶予はありません。これから新しい国家資格を創設しその養成等に取り組むよりも、可及的速やかに養成カリキュラムや研修の充実による社会福祉士及び精神保健福祉士の実践能力の向上と、社会福祉士及び精神保健福祉士の活用の促進を図り、さらには、これらのソーシャルワーカーが、専門性を活かしながら積極的に介入することができる環境を整備し、子どもたちが子どもらしく生活する権利を守っていくことが必要であると考えます。

お問い合わせの際は「JFSW事務局担当」とお伝えください。 TEL 03-5366-3152 受付時間 10時~17時(土・日・祝日除く)/FAX 03-5366-2993

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