SDGsの中間点:変革のためのソーシャルワーク
2023年11月7日
下記の声明文が、第27回IFSWアジア太平洋会議の参加者により承認されました。
IFSWアジア太平洋地域内外から1,000名を超えるソーシャルワーカーがフィリピンのセブ島に集い、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた中間地点での進捗状況について話し合いました。フィリピン・ソーシャルワーカー協会(PASWI)が主催したこの会議には、地域社会に前向きな変化をもたらすことに専心する専門家たちが参加しました。
このイベントは、SDGsを地域コミュニティの中で実際に意味のあるインパクトに変換する上で、ソーシャルワーカーが果たす極めて重要な役割を強調したものでした。世界がこの重要な中間点を迎えるにあたり、これらの献身的な専門家たちは、誰一人取り残さない共有の未来を創造する努力の最前線にいます。
国際ソーシャルワーカー連盟アジア太平洋地域(IFSW-AP)小原眞知子会長のコメント:
「SDGsは、貧困削減、ジェンダー平等、質の高い教育、きれいな水、気候変動対策といった重要な課題を包含し、より良い世界を実現するための大胆かつ野心的なビジョンを示しています。しかし、こうした世界的な目標を人々の生活の具体的な改善につなげるには、国際的な合意や政策枠組み以上のものが必要です。地域社会に溶け込み、地域社会固有のニーズや強み、課題を理解するソーシャルワーカーの献身的な努力が必要なのです。」
アジア太平洋ソーシャルワーク教育協会(APASWE)デイビッド・ローズ会長のコメント:
「地域全体を通して、ソーシャルワークが社会開発への対応の主要な一部となりうるいくつかの重要な課題には、気候変動と環境悪化の影響、自然災害と人災、 貧困と不平等、子どもたちの保護とウェルビーイング、ジェンダー平等とジェンダーに基づく暴力、国境を越えた人々の移動、メンタルヘルスとウェルビーイングなどがあります。APASWEが特に重点を置いているソーシャルワーク教育にとって、我々の課題は、これらの社会開発の課題に取り組む上で重要な役割を果たすソーシャルワーカーをどのように育成するかということである。今回の会議は、こうした社会開発の課題にどのように取り組むことができるのか、私たちに多くの機会を与えてくれました。」
国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)ジョアキム・ムンバ会長のコメント:
「SDGs達成に向けた旅の中間点を迎えるにあたり、私たちは、差し迫った世界的な課題に取り組むために、集団的な行動と変革が緊急に必要であることを再認識しています。ソーシャルワーカーはしばしば、持続可能な開発の知られざるヒーローです。彼らは、個人、家族、コミュニティが障壁を乗り越え、潜在能力を最大限に発揮できるよう、たゆまぬ努力を続けています。しかし、あらゆる努力にもかかわらず、世界はまだ多くの課題に直面しています。戦争や紛争は後を絶たず、自然災害はますます頻発し、気候変動は地球の根幹を脅かしています。
こうした課題を克服するために、ソーシャルワークは地域社会主導で、先住民の知恵を取り入れたアプローチをとり、変革をもたらしています。ソーシャルワーカーたちは、平和、環境保全、社会正義を推進するイニシアチブをリードする力を与えながら、地域のコミュニティや住民と関わっています。
私たちは共に、エコ・ソーシャル・ワールドのための人民憲章の価値観とブエン・ヴィヴィルの原則に沿った未来を共にデザインし、共に構築することで、真に誰一人取り残さない世界を確保することができるのです。」
(翻訳:JFSW事務局)
★原文はこちらをご覧ください。