2018年12月16日(日)から19日(水)まで来日されていた国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)のローリー事務局長(Dr. Rory G Truell)と日本ソーシャルワーカー連盟(JFSW)関係者による「倫理原則」等に係る意見交換会が12月18日(火)の18時より、公益社団法人日本社会福祉士会事務局(東京都新宿区)にて開催されました。

ローリー事務局長を囲んで

JFSWからは倫理綱領委員会の委員を中心に21人が出席しました。出席者の自己紹介後、はじめにローリー事務局長より「ソーシャルワークにおける倫理原則のグローバル声明2018年」についてIFSWの倫理に関する考え方を中心にご説明いただきました。2004年の倫理原則の国際声明の大枠は変えていませんが、変更点としては、「技術とソーシャル・メディアの倫理的な活用」を加えたこと、「ソーシャルワーカーは、必要な資格を保持し、業務を遂行するために必要なスキルと力量を発展し、維持しなければならない」と資格保持を意図的に明記したこと、などがあるとのことでした。また、IFSWと国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の内容に若干の乖離がみられるもののIASSWも9つの倫理原則をもとにしている、とのことでした。

その後の意見交換では、JFSWとしてソーシャルワーカーの倫理綱領の改訂作業が大詰めであることもあり、出席者からローリー事務局長にさまざまな質問が投げかけられ、活発なやり取りがなされました。たとえば、原則の「人間固有の尊厳の認識」や「自己決定の権利を促進する」になぜ但し書きが付されているかの質問については、IFSW加盟各国の要望を調整し合意を得るために、無条件の権利ではないことを明記する必要があった、とのことでした。また、「Principles」をどのような日本語訳にしたらよいか倫理綱領委員会で検討中であり、言葉の意味を確認した質問については、「絶対的なもの」「価値を超えたもの」を意味した言葉であるとのお話がありました。

最後にJFSW構成4団体の各団体代表者から意見交換会の感想が述べられ、20時に閉会となりました。

(文責:事務局)

<日本ソーシャルワーカー連盟関係者>[日本ソーシャルワーカー協会]春見静子(常任理事)、星野晴彦(常任理事)、高石 豪(常任理事)、松永千惠子(理事)、甲田賢一(事務局長代行)、小川多鶴(会員) [日本社会福祉士会]西島善久(会長)、中田雅章(理事)、平田美智子(IFSW-AP会計担当)、小笹知彦(事務局長) [日本医療社会福祉協会]早坂由美子(会長)、野口百香(副会長)、山崎まどか(理事)、小原眞知子(国際委員長)、坪田まほ(業務執行理事・事務局長) [日本精神保健福祉士協会]木太直人(常務理事)、岡本秀行(常任理事)、岩本 操(「精神保健福祉士業務指針」委員長)、木村真理子(相談役)、坪松真吾(事務局長)、小澤一紘(総務班主任)