イギリスソーシャルワーカー協会の世界ソーシャルワークデー(2018年3月20日、ロンドン)は、さまざまな人たちのスピーチが中心でした。午前・午後の二部構成となっており、午前は国際的な視野からの発表、午後は国内のソーシャルワーク関連の発表でした。

 発表はバラエティに富んでいました。例えば、コンゴ出身のソーシャルワーカーがコンゴの福祉問題を話したり、障がいのあるソーシャルワーカーがシエラレオネの障がい者福祉を話したり、ウェールズのソーシャルワーカーは言語の重要性を話したり、また当事者がソーシャルワーカーに出会って助けられたことや、子どもに関わるソーシャルワーカーが子どもに寄り添うアニメを見せるなど、どれも興味深いものでした。私は「日本の福祉問題とソーシャルワーカーの状況・課題」について主に地域包括ケアや地域共生社会に関する政策動向を踏まえ、コミュニティソーシャルワーカーが期待されていることを話しました。

途中、プログラムには名前はなかったのですが、保健福祉省(Dep.of Health and Social Care)の大臣(Jeremy Hunt)がソーシャルケア改革についてのスピーチをしました。会場はいつの間にか人があふれ、報道陣もつめかけ、スピーチのあとは質問も飛び交い活気がありました。イギリスも日本と同様に高齢者福祉の問題が深刻で、今後、伝統的な国民保健サービスに改革のメスがいれられそうです。次の日の新聞(デイリーテレグラフ)では、大臣がスピーチしたことが記事になっていました。保健福祉省にはチーフソーシャルワーカーが配置されており、高齢者分野へのソーシャルワーカーの拡大が見込まれそうです。

イベントの終わりにはソーシャルワークデーのポスターのイラストが描かれた巨大ケーキを参加者とともに食べ、写真撮影をしました。

30人~50人くらいの参加者(出入り自由)で、アットホームなイベントでしたが、中身の濃い充実した楽しい1日でした。

 [文責:森恭子(日本社会福祉士会多文化PT委員)]