去る9月21日(金)から23日(日)まで、公益財団法人社会福祉振興・試験センターの助成を受け、宮城県石巻市内の「石巻市防災センター」において、日本ソーシャルワーカー連盟(JFSW)主催による「国際交流ワークショップ『災害ソーシャルワーク』」が開催されました。日本全国から15人、海外からはインド・ネパール・ベトナム・スリランカ・ミャンマー・オーストラリア・タイの7か国7人、合計20人が参加しました。

大川小学校跡で語り部の方の説明を聞く

東日本大震災メモリアル南浜つなぐ館にて

【社会見学】
第1日目は、被災地や災害支援機関を訪問するフィールドトリップで、貸切バスで石巻市に入り、石巻赤十字病院、仮設住宅を見た後、71人の児童と10人の教師が犠牲となった大川小学校跡を語り部の方の案内で見学しました。その後、日本医療社会福祉協会が福祉避難所として被災者支援を行っていた「石巻市遊楽館」、「東日本大震災メモリアル南浜つなぐ館」を見学し、石巻市防災センターに到着、センターを見学しました。

【講義とシンポジウム・海外からの発表】
2日目は、災害ソーシャルワークの講義とシンポジウム、海外の参加者の報告が通訳付でありました。基調報告として、石巻市復興政策部地域協働課課長佐藤由美氏より、「石巻市における東日本大震災後の新しいコミュニティへの取り組み」と題した報告を受けました。次に、日本医療社会福祉協会の笹岡真弓氏より、「災害支援とソーシャルワーク」と題した講義があり、「震災と子ども―スクールソーシャルワーカーとしての実践から―」と題して、日本社会事業大学の土屋佳子氏の実践報告もありました。

シンポジウムの様子

海外の参加者からの発表

午後からの「新しいまちづくりにおけるソーシャルワーカーの役割」というシンポジウムには、日本社会福祉士会会員・石巻市北上地域包括支援センター職員の高橋了氏、日本医療社会福祉協会石巻現地責任者の福井康江氏、石巻市役所健康部健康推進課技術副参事兼技術課長補佐の高橋由美氏の3人が登壇しました。最後に、アジア5か国の参加者から、それぞれの国の簡単な紹介と災害ソーシャルワークの取り組みが紹介されました。

【グループワーク】
最終日の3日目は、「地域での連携・高齢者」「精神的ケア」「子どもへの支援」「アジアの災害ソーシャルワーク」などの分野に分かれグループワークを行い、各グループからの発表がありました。

【まとめ】

グループワークの様子

閉会後の集合写真

ワークショップのねらいは、日本を含めアジアの若いソーシャルワーカー達が交流し、ネットワークを作っていくことです。IFSW Silvana会長から、「研修を通して他国のソーシャルワーカーと経験を分かち合ったことは重要なことです。というのも、天候異変は世界のあらゆるところで起きており、私たちはソーシャルワーカーとして何百万人に影響する自然災害に介入することに備えなくてはならないからです」というメッセージが寄せられました。

(文責:JFSW国際委員 平田美智子)